ウニの味を決める要因

ウニには約40個のエキス成分が含まれており、その中でウニの味に直接関与しているの成分はグリシン(甘味)、アラニン(甘味とかすかなうま味)、バリン(苦味)、メチオニン(苦味と甘味)、グルタミン酸(酸味とうま味)、イノシン酸(うま味)、グアニル酸(うま味)の7つの成分。

また、ウニにはグリコーゲン(多糖類)が多量に含まれている。グリコーゲンは魚介類の筋肉や肝臓など動物の組織に含まれている成分で、味の向上に関与している。特に旬の時期にはグリコーゲンが増え、ウニの風味を向上させるとともに、まろやかさと濃厚感が強く、味にまとまりができ、天然感が増すと言われている。

ウニの苦み成分

ウニのおいしさには苦味を有するアミノ酸の関与が特徴的であるが、おいしいはずのウニも場合によっては苦くて食べられないものになってしまうことがある。

苦味アミノ酸

ウニは雑食性で海藻以外にも魚肉など何でも食べてしまう。通常の餌である海藻を食べているウニに比べ、魚肉を食べているウニはバリン、ロイシン、イソロイシン、などの苦みアミノ酸が多く含まれており、苦みの原因となっている。

プルケリミン

バフンウニの成熟した卵巣は強い苦みを伴う。この苦みのある卵巣から単離された物質がアミノ酸であることからバフンウニの学名Helmicetrotus pulcherrimusにちなんで、プルケリミンと命名された。
プルケリミンはバフンウニ特有のもので、他のウニには確認されていない。

カルボニル化合物

チリウニなどで問題となっている。苦みというよりはエグ味、辛み、渋味、口の中がピリピリする味などといった不快味の原因物質である。
カルボニル化合物はウニの冷凍貯蔵中に脂質の酸化の進行によって生成されるもの。塩ウニでも同様の不快味が生じることがある。

ウニのうま味成分

グリシン

甘味。ウニ以外にも様々な魚介類の甘味に関与している。

バリン

苦味のある成分ではあるが、同時にかすかな甘みも持っている。ウニ特有の苦みにも関与していて、この成分がないとウニらしい味が弱くなると言われている。苦みをもつバリンが美味しさに関与しているのはウニ特有の珍しい例である。

メチオニン

苦みと弱い甘みをみつアミノ酸。メチオニンがないとウニらしい風味がなくなってしまうというほど、ウニのおいしさにとって重要な成分。

グルタミン酸

酸味と弱いうま味。イノシン酸との間にうま味の相乗効果がある、ウニにおいてはグルタミン酸がないとうま味が弱くなる。

イノシン酸

単体では弱いうま味だが、グルタミン酸との相乗作用によりうま味に関与している。

グアニル酸

イノシン酸と同様、グルタミン酸との相乗作用によりうま味に関与している。もともとはシイタケのうま味成分として発見された。

 

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